大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和43(あ)1999 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意のうち、被害者Aに対する事件の関係について述べるとこ

ろは、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない(

右事件の関係について、警察において自白を強要されたとの点は、記録を検討して

も、所論のような自白強要の形跡が全く認められないから、憲法違反の主張にあた

るとしても、その前提を欠くものというべきである。)。また、同上告趣意のうち、

被害者Bに対する事件の関係について述べるところは、事実誤認の主張であつて、

適法な上告理由にあたらない(右事件の関係について、警察において自白を強要さ

れ、その後も警察に逆送されるのが恐ろしいため、検察官に対しても、裁判所にお

いても、事実を認めたものであるとの主張についてみると、被告人の司法警察員に

対する供述調書は、第一審においてその任意性が否定され本件の証拠とはされてい

ないのであるから、これについて憲法違反の問題を生ずる余地がなく、また、被告

人の検察官に対する供述調書や被告人自身の作成した上申書については、その任意

性を肯定した原審の判断は相当であるから、憲法違反の主張としても、その前提を

欠くものというべきである。公判廷における自白についても、その任意性を疑うべ

き事由は全く認められない。)。

弁護人竹内誠の上告趣意第一点のうち、憲法違反をいう点は、実質において単な

る法令違反の主張に帰し、その余は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも適

法な上告理由にあたらない(本件第一、二審の審理過程において、公判手続の停止

がなされなかつたことは、違法であるとは認められない。)。同弁護人の上告趣意

第二点のうち、B関係についての被告人の検察官に対する自白調書ならびに被告人

自身の作成した上申書の任意性を争う主張についてみると、右自白調書ならびに上

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申書の任意性を肯定した原審の判断は相当であること前述のとおりであるから、こ

れを憲法違反の主張とみるにしてもその主張の前提を欠き、論旨の直接述べるとこ

ろは事実誤認、単なる法令違反の主張であるから、適法な上告理由にあたらない。

同上告趣意第二点のその余の主張は、事実誤認の主張であり、適法な上告理由にあ

たらない。同上告趣意第三点ないし第六点は、いずれも事実誤認ないし単なる法令

違反の主張であり、すべて適法な上告理由にあたらない。

なお、記録を検討しても、本件について刑訴法四一一条を適用すべき事由は認め

られない(本件におけるすべての情状を考慮しても、原判決の維持する第一審判決

が被告人に対し極刑を科したのは、まことにやむを得ないものと認められる。)。

よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官冨田康次 公判出席

昭和四五年一二月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 下 村 三 郎

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

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