大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和44(あ)667 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

一 弁護人安倍治夫の上告趣意第一点のうち憲法三九条後段違反の主張について。

検察官が控訴を申立て、第一審判決の刑より重い刑の判決を求めることが憲法三

九条に違反しないことは、当裁判所大法廷の判例(昭和二四年新(れ)第二二号同

二五年九月二七日判決・刑集四巻九号一八〇五頁)とするところであり、第一審の

無期懲役刑の判決に対し、検察官が控訴を申し立て、死刑の判決を求める場合も、

これと別異に解すべきものとは認められないから、所論は、理由がない(当裁判所

昭和四四年(あ)第一二一二号同四五年三月二六日第一小法廷判決参照)。

二 同第一点のうち憲法三六条違反の主張について。

死刑そのものが憲法三六条にいう「残虐な刑罰」にあたらないこと、ならびに裁

判官が各具体的事案につき法律上許された範囲内で刑を量定した場合に、かりに被

告人の側から見て過重な刑と思われたとしても、これをもつて直ちに「残虐な刑罰」

というべきものでないことは、いずれも当裁判所大法廷の判例(昭和二二年(れ)

第一一九号同二三年三月一二日判決・刑集二巻三号一九一頁、昭和二二年(れ)第

三二三号同二三年六月二三日判決・刑集二巻七号七七七頁)とするところであり、

第一審判決が死刑以外の言渡しをしたのに対し、控訴審がこれを破棄して死刑を言

い渡すことも、その例外とは解されないから、所論は、理由がない(前示第一小法

廷判決参照)。

三 同第二点ないし第四点について。

所論は、単なる法令違反、量刑不当、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条

の上告理由にあたらない。記録によれば、原判決が被告人に対し死刑を科したこと

は、その犯情に照らしてまことにやむをえないものと認められる。

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その他、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお

り判決する。

検察官山室章 公判出席

昭和四六年二月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 松 本 正 雄

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

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