大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和44(オ)283 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告状記載の上告理由、上告理由書記載の上告理由第一点(一)、(二)お

よび(三)のうち1ないし10について。

所論の点に関する原判決の認定判断は、その挙示する証拠関係に照らして首肯す

ることができ、原判決に所論の違法はない。所論は、ひつきよう、原審の認定しな

い事実をも合わせ主張して原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定判断を

非難するに帰し、論旨は採用しえない。

同昭和四三年一〇月二四日付上告趣旨訂正書記載の上告理由、上告理由書記載の

上告理由第一点(三)のうち11について。

原審の確定した事実関係、ことに、本件贈与に至る経緯、その後の事情、さらに

被上告人らがその贈与物件である本件a番、b番の土地等の引渡を受けて上告人方

から経済的に独立した後これら農地を耕作してその生活の主な基盤としてきたこと、

右a番の農地の所有権移転の許可を得るについて格別障害となるような事由はない

等の諸点を総合すると、上告人が自ら北海道知事に対する許可の申請を怠りながら、

その許可の未了を理由に所有権に基づいて一旦引渡まで済ませた農地の返還を求め

るのは、権利の誠実な行使ということはできず、本件各土地の引渡を求める上告人

の反訴請求は権利濫用として許されない旨の原審の判断は正当としてこれを肯認す

ることができ、所論引用の判例は、本件と事案を異にして本件に適切ではなく、原

判決に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用しえない。�

同上告理由書記載の上告理由第二、三点、第八点(九)について。

所論の訴の取下、抗弁の撤回のあつたことは本件記録上明らかであつて、この点

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につき所論の違法は認められず、したがつて、違憲の主張もその前提を欠き、論旨

は採用しえない。

同上告理由書記載の上告理由第四ないし第七点について。

所論は、いずれも原判決の結論に影響のない事項について、独自の見解を主張す

るにすぎず、論旨は採用しえない。

同上告理由書記載の上告理由第八点(一)ないし(八)について。

所論は違憲をもいうが、その実質は原審の専権に属する証拠の取捨判断を非難す

るにすぎず、論旨は採用しえない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

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