大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和45(あ)1222 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人高木定義の上告趣意は、憲法三二条違反をいう点もあるが、実質は単なる

法令違反、事実誤認の主張であつて、上告適法の理由にあたらない。

職権によつて調査すると、第一審判決は、その法令の適用において、罪となるべ

き事実第二について、道路交通法一一九条一項九号、七〇条を適用し、罪となるべ

き事実第一の業務上過失傷害罪につき禁錮刑を、同第二ないし第四の道路交通法違

反の各罪につきいずれも懲役刑を選択したうえ、以上は刑法四五条前段の併合罪で

あるから、同法四七条本文、一〇条により、最も重い業務上過失傷害罪の刑に同法

四七条但書の制限内で法定の加重をし、その刑期の範囲内で、被告人を禁錮八月に

処しており、原判決は、右法令の適用についてはなんらふれることなく、被告人の

控訴を棄却しているのである。

ところで、第一審判決が、その罪となるべき事実第二において認定判示するとこ

ろは、被告人が過失により安全運転義務に違反したというのであるから、その法令

の適用においては、過失犯の罰則である道路交通法一一九条二項をも適用しなけれ

ばならなかつたものというべきである。そうすると、同条項の規定する法定刑は、

五万円以下の罰金のみであるから、第一審判決が、罪となるべき事実第二の道路交

通法違反の罪についても懲役刑を選択して、刑法四七条により、被告人を禁錮八月

に処したのも、また、法令の適用を誤つたことになり、これらの法令違反を看過し

た原判決には、審理不尽の違法があるものといわざるをえない。

しかし、本件各犯行の態様その他記録にあらわれた諸般の事情を総合すると、右

違法は、いまだ原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

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主文のとおり決定する。

昭和四五年一〇月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 飯 村 義 美

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 関 根 小 郷

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