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最高裁判所第三小法廷 昭和45(行ツ)114 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人浅田清松の上告理由第一点について。

商標権は、商標原簿に設定の登録をすることにより発生するものであるが、いつ

たん右登録により発生した権利は、右原簿が滅失しても、そのことによつて、その

権利自体になんら変動をきたすものではないと解するのが相当である。そして、引

用商標の権利が原判決別紙第二記載の構成にかかるものとして設定の登録がされる

ことにより発生したものであることは、原審の確定するところであるから、その後、

該商標原簿が滅失し、また、その回復の手続に瑕疵があつたとしても、引用商標の

権利は、なんらの変動もきたさず、したがつて、右原簿滅失後も、引用商標の権利

が右の構成のものとして存続することは明らかである。そして、引用商標の権利が、

その後、二回にわたり存続期間の更新登録により、更新されていることは、原審の

認めるところであるから、引用商標が原判決別紙第二記載の構成にかかるものであ

るとし、これを本願商標との類否判断に供しうるとした原審の判断は、正当であり、

原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、右に反する独自の見解を主張す

るにすぎず、すべて採用できない。

同第二点について。

原審は、本願商標と引用商標(原判決別紙第二記載の構成のものをいう。以下同

じ。)とを商品清酒に用いた場合に、事情に通じた一部の業者を除いて取引者、需

要者の間において商品の誤認混同を生ずるおそれがあると認めたうえで、この事情

を参酌し、両商標は、その称呼および観念を共通にするから、類似の商標というべ

きであると判断しているのであつて、右認定判断は、正当としてこれを是認するこ

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とができる。また、所論引用の大審院判決は、事案を異にし本件に適切でない。論

旨は、ひつきよう、原審の認定に沿わない事実もしくは独自の見解を主張し、また

は、原審の専権に属する証拠の取捨判断もしくは事実の認定を非難し、これらを前

提として原判決を論難するものであつて、すべて採用できない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官

全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 高 辻 正 己

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