大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和46(あ)1850 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人戸丸良七の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴

法四〇五条の上告理由にあたらない。また、記録を調べても、同法四一一条を適用

すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官田中二郎の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見によ

るものである。裁判官田中二郎の反対意見は、次のとおりである。職権で調査する

と、本件第一審判決が証拠の標目に掲げる証拠中、Aの公判廷および検察官の面前

における供述ならびに押収の白封筒一通を除いたその余のものは、本件選挙運動の

計画、実行の経緯等、すべて本件犯罪事実の背景となる事実関係についての証拠の

みであつて、本件二〇、〇〇〇円の受供与の事実自体に関する証拠ではない。とこ

ろが、原判決は、右白封筒一通について、それもまた本件受供与事実自体に関する

証拠ではない旨判示しており、記録によれば、右判示が誤りであるとは認めがたい

ものである。そうしてみると、本件第一審判決は、供与者Aの供述を犯罪事実に関

する唯一の証拠として、これと必要的共犯の関係にある被告人の受供与の罪責を認

める違法を犯し、原判決もまた、これを是認する違法を犯したものというべきであ

つて、ともに破棄を免れない。この点の理由の詳細については、昭和三六年(あ)

第二九五五号同四〇年二月九日第三小法廷判決、刑裁集一五四号六七五頁、同四四

年(あ)第二三八号同四五年四月七日第三小法廷判決、刑集二四巻四号一七八頁に

私の反対意見として述べたとおりであるから、それをここに引用する。

昭和四七年三月二四日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 関 根 小 郷

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

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