大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和50(あ)795 決定

主 文

本件上告は、昭和五〇年四月一七日取下により終了したものである。

理 由

被告人は、その脅迫、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件について、昭和五〇

年三月一一日東京高等裁判所がした判決に対して、同年同月一八日上告を申し立て、

次いで同年四月一七日上告を取り下げたものであるが、別紙上訴権回復申立理由書

記載の理由により、上訴権回復を申し立てるというのである。

上訴権回復の請求は、刑訴法三六二条が「上訴の提起期内に上訴をすることがで

きなかつた」ことを要件としているので、本件のように、上告の申立があつた事案

については、その適用がないことが明らかであり、本件申立の趣旨は、脅迫の事実

の証拠とされたAの証言が偽証であることが立証できないと思つて上告を取り下げ

たが、その後原判決の謄本を読むと、事実に全く相反する判断により有罪とされて

いるので、これを覆えしてもらいたく、上訴権回復を申し立てるというのであつて、

その趣旨は、上告の取下を撤回して上告審議を続けてほしいというにあると解され

る。

しかし、所論のような理由によつて上告の取下を無効ということはできず、また、

本件上告は、右取下によつてすでに終了しているのであるから、もはや取下の撤回

は認められない。

以上の次第で、被告人が昭和五〇年四月一七日にした上告取下は有効であり、本

件上告は、右取下により終了したものであるが、被告人が上告審議の続行を求める

というので、決定をもつてその趣旨を明らかにしたわけである。

昭和五〇年五月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 関 根 小 郷

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裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 高 辻 正 己

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