大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和50(ク)16 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人らの負担とする。

理 由

抗告代理人浅見昭一、同大西幸男の抗告理由について。

憲法三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利があることを規定したに

過ぎないものであつて、裁判所の権限や審理の方法等について規定したものでない

ことは、当裁判所の判例(最高裁昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大

法廷判決・刑集四巻二号八八頁参照。)の趣旨とするところである。もつとも、憲

法八二条は、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」と規定している

が、この規定にいう裁判とは、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に

事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする

純然たる訴訟事件についての裁判のみを指すものと解すべきことも、当裁判所の判

例(最高裁昭和四一年(ク)第四〇二号同四五年六月二四日大法廷決定・民集二四

巻六号六一〇頁参照。)によつて明らかである。ところで、和議認可決定及びこれ

に対する抗告事件についての抗告棄却決定は、右に述べたような意味における裁判

には該当しないから、原審が口頭弁論を経ないで審理、裁判したことをもつて憲法

の右規定に違反するものということができないことは、前記の当裁判所判例の趣旨

に照らして明らかである。したがつて、原決定に右違憲の瑕疵はなく、この点に関

する論旨は理由がない。�

その余の違憲をいう論旨は、その実質において、原決定の単なる法令違背を主張

するものにすぎず、特別抗告適法の理由とすることができない。

よつて、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人らに負担させることとし、主文の

とおり決定する。

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昭和五〇年二月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 高 辻 正 己

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