大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和51(さ)1 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

本件記録によると、足立簡易裁判所は、昭和四七年一一月一四日被告人に対する

道路交通法違反被告事件(同庁昭和四七年(い)第〇一七三一号)について、同年

一〇月三一日付の公訴提起に基づき、被告人は、昭和四七年四月九日午後二時四五

分ころ、茨城県西茨城郡a町bc番地付近道路において、法定の最高速度六〇キロ

メートル毎時を二〇キロメートル毎時超えた八〇キロメートル毎時の速度で普通乗

用自動車(足立五五せ八二四一号)を運転したものである、との事実を認定したう

え、道路交通法二二条一項、一一八条一項二号、同法施行令一一条一号、刑法一八

条、罰金等臨時措置法二条、刑訴法三四八条を適用し、「被告人を罰金八、〇〇〇

円に処する。これを完納することができないときは、金一、〇〇〇円を一日に換算

した期間被告人を労役場に留置する。第一項の金額を仮に納付することを命ずる。」

との略式命令を発し、この略式命令は、同年一二月七日確定したこと、ところが、

これより先の昭和四七年四月九日に、被告人は、右と同一の事実につき、交通反則

通告書(告知書番号A四九三二七〇号)により反則金八〇〇〇円を納付すべき旨の

通告を受け、その納付期限内である同年四月一三日に右反則金を納付していること、

が認められる。

そうすると、前記四七年一〇月三一日付の公訴提起を受けた足立簡易裁判所とし

ては、この公訴事実については道路交通法一二八条二項により公訴提起が許されな

いのであるから、刑訴法四六三条一項に従い、事件を通常の手続に移したうえ、同

法三三八条四号により公訴棄却の判決をすべきであつたのに、同簡易裁判所は前記

のとおり略式命令をしたものであつて、原略式命令は法令に違反していることが明

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らかである。

よつて、本件非常上告は理由があり、しかも原略式命令は被告人のため不利益で

あるから、刑訴法四五八条一号但書により、右略式命令を破棄し、同法三三八条四

号により本件公訴を棄却することとし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判

決する。

検察官佐藤忠雄 公判出席

昭和五一年六月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 辻 正 己

裁判官 天 野 武 一

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 服 部 高 顯

裁判官 環 昌 一

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