最高裁判所第三小法廷 昭和51(さ)7 判決
主 文
原略式命令を破棄する。
被告人を罰金三万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金一〇〇〇円を一日に換算し
た期間、被告人を労役場に留置する。
理 由
本件記録によると、豊島簡易裁判所は、昭和五〇年七月二六日被告人に対する道
路交通法違反被告事件(同庁昭和五〇年(い)第三〇一七五一号)につき、「被告
人は昭和五〇年四月二九日午前二時四〇分ころ、東京都立川市a町bのc番地先道
路において、身体に呼気一リツトルにつき〇・二五ミリグラム以上のアルコールを
保有する状態で、普通乗用自動車を運転したものである。」旨の事実を認定したう
え、右の事実に道路交通法六五条、一一九条一項七号の二、同法施行令四四条の三、
刑法一八条、刑訴法三四八条を適用して、「被告人を罰金三万六千円に処する。右
罰金を完納することができないときは、金一、〇〇〇円を一日に換算した期間被告
人を労役場に留置する。但し、右罰金に相当する金額を仮に納付すべきことを命ず
る。」旨の略式命令を発し、この略式命令は同年八月一九日確定したことが認めら
れる。
しかしながら、道路交通法の右各規定によると、本罪の罰金の法定刑の最高額は
三万円であるから、これを超過して被告人を罰金三方六〇〇〇円に処した右略式命
令は法令に違反していることが明らかであり、しかも被告人のために不利益である
といわなければならない。
よつて、刑訴法四五八条一号但書により、原略式命令を破棄し、被告事件につい
てさらに判決することとする。
原略式命令の確定した道路交通法違反の事実に法令を適用すると、被告人の所為
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は、道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二、同法施行令四四条の三に該当
するが、所定刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲内で被告人を罰金三万円に処し、
右罰金を完納することができないときは、刑法一八条により金一〇〇〇円を一日に
換算した期間、被告人を労役場に留置することとし、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
検察官佐藤忠雄 公判出席
昭和五一年六月二九日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 天 野 武 一
裁判官 江 里 口 清 雄
裁判官 高 辻 正 己
裁判官 服 部 高 顯
裁判官 環 昌 一
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