大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和54(あ)35 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人田中勇雄の上告趣意第一について

所論のうち判例違反をいう点は、原判決は所論引用の判例と相反する判断をした

ものではないから理由がなく、その余は、憲法三八条二項違反をいう点を含め、実

質は単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

同第二について

交通事故を起した運転者において、被害者救護、交通秩序の回復等につきなんら

の処置も必要としないと判断した場合であつても、なお道路交通法七二条一項後段、

一一九条一項一〇号の報告義務違反の罪の成立を免れず、かつこのように解しても

憲法三八条一項に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和三七年五月二

日大法廷判決・刑集一六巻五号四九五頁、昭和四八年三月一五日第一小法廷判決・

刑集二七巻二号一〇〇頁)の趣旨とするところであるから、同条項違反をいう所論

は理由がない。また、本件報告義務違反が実行の時に適法であつた行為といえない

ことは明らかであるから、憲法三九条違反をいう所論は、前提を欠き、適法な上告

理由にあたらない。

弁護人青木英五郎の上告趣意について所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴法

四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人岡崎赫生、同橋本敦の上告趣意について

所論のうち、憲法一四条違反をいう点は、原審において主張、判断を経ておらず、

憲法三七条一項違反をいう点は、記録上認められる第一審及び原審の公判審理の経

過、事案の内容等に徴すると第一審及び原審の審理が迅速な裁判の保障条項に反し

ているとは認められないから、所論は前提を欠き、その余は、憲法一一条、一三条

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違反をいう点を含め、実質はいずれも単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、

刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

よつて、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和五四年九月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 辻 正 己

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 環 昌 一

裁判官 横 井 大 三

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