大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和54(さ)2 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金三万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二〇〇〇円を一日に換算し

た期間、被告人を労役場に留置する。

理 由

本件記録によると、徳島簡易裁判所は、昭和五三年三月二四日被告人に対する道

路交通法違反被告事件(同庁昭和五三年(い)第五二八九号)について、「被告人

は、昭和五二年一二月三〇日午後一一時五〇分ころ、徳島県名西郡a町b字第c、

d番地のe先付近道路において、呼気一リツトルにつき、〇・二五ミリグラム以上

のアルコールを身体に保有する状態で軽四輪乗用自動車を運転したものである。」

との事実を認定したうえ、道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二、同法施

行令四四条の三、刑法一八条、罰金等臨時措置法二条、刑訴法三四八条を適用して、

「被告人を罰金五万円に処する。右の罰金を完納することができないときは、金二

〇〇〇円を一日に換算(端数金額があるときは、これを一日に換算する。)した期

間被告人を労役場に留置する。被告人に対し、仮に右罰金に相当する金額を納付す

べきことを命ずる。」旨の略式命令を発付し、この略式命令は、昭和五三年四月一

三日確定したことが認められる。

しかしながら、道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二によれば、その罰

金の法定刑は三万円以下であるから、加重事由のない本件について、これを超過し

て被告人を罰金五万円に処した右略式命令は、法令に違反していることが明らかで

あるうえ、被告人のために不利益であるといわなければならない。

よつて、刑訴法四五八条一号但書により、原略式命令を破棄し、被告事件につい

てさらに判決することとする。

- 1 -

原略式命令の確定した道路交通法違反の事実に法令を適用すると、被告人の所為

は、道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二、同法施行令四四条の三に該当

するので、所定刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲内で被告人を罰金三万円に処

し、右罰金を完納することができないときは、刑法一八条により、金二〇〇〇円を

一日に換算した期間、被告人を労役場に留置することとし、裁判官全員一致の意見

で、主文のとおり判決する。

検察官本田啓昌 公判出席

昭和五四年三月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 辻 正 己

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 服 部 高 顯

裁判官 環 昌 一

裁判官 横 井 大 三

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!