大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和57(あ)281 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人内田剛弘、同水島正明、同若梅明の上告趣意のうち、いわゆるビニール本

を販売することも思想、良心、表現の自由として保護すべきであるとして憲法一九

条、二一条、三一条違反をいう点は、結局のところ、原判決が刑法一七五条の合憲

性を肯定したことを論難するに帰するものであつて、その理由のないことは、わい

せつ文書の出版を同法条で処罰しても憲法二一条に違反しないとする当裁判所大法

廷判例(昭和二八年(あ)第一七一三号同三二年三月一三日判決・刑集一一巻三号

九九七頁、同三九年(あ)第三〇五号同四四年一〇月一五日判決・刑集二三巻一〇

号一二三九頁)の趣旨に徴し明らかである。

同上告趣意のうち、わいせつの概念があいまい不明確であることを前提として憲

法二一条、三一条違反をいう点は、刑法一七五条の構成要件は、所論のように不明

確であるということはできないから、所論は前提を欠き、判例違反をいう点は、所

論引用の判例は、事案を異にし本件に適切でなく、その余の点は、単なる法令違反、

量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

よつて、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和五八年三月八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 木 戸 口 久 治

裁判官 横 井 大 三

裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 安 岡 滿 彦

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