大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和62(オ)1076 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人内藤頼博、同古沢博、同中西克夫の上告理由第一点について

所論は、要するに、原判決は、言渡期日の指定・告知なくして言い渡されたもの

であるから、言渡手続に違背しており、民訴法三九六条、三八七条により、破棄を

免れない、というのである。

そこで、記録によると、昭和六二年三月三日午後二時三〇分に開かれた原審第八

回口頭弁論期日の調書には、同日弁論が終結され、言渡期日が「同年四月二一日午

後一時」と指定告知された旨の記載があり、原審第九回口頭弁論期日の調書には、

期日欄に「昭和六二年」とあるが、月日時刻の記載はなく、当事者の出頭状況等の

欄には、「当事者双方不出頭」、弁論の要領の欄には、「裁判長 判決原本に基づ

き判決言渡」と記載され、判決正本には、頭書部分の上欄に、「昭和六二年五月二

六日判決言渡 同日判決原本交付」との日付け部分を手書きで挿入し、かつ、書記

官名を刻したゴム印が押捺されており、同月二七日に双方訴訟代理人に判決正本が

送達されていることが認められる。

しかし、昭和六二年四月二一日に判決言渡期日が開かれたのか否か、同期日が変

更されたのか否か、さらには、判決正本の頭書部分の上欄に記載されている昭和六

二年五月二六日の言渡期日が指定されたのか否かは、いずれも本件記録上明らかで

ない。そうすると、原判決の言渡期日の指定があつたとは認められないから、原判

決は、言渡期日の指定なくして言い渡されたものというほかはなく、したがつて、

判決の手続が法律に違背したものであるから民訴法三九六条、三八七条の規定によ

り破棄を免れないものといわなければならず(最高裁昭和二七年(オ)第二一一号

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同年一一月一八日第三小法廷判決・民集六巻一〇号九九一頁、同三九年(オ)第九

二四号同四二年五月二三日第三小法廷判決・民集二一巻四号九一六頁参照)、本件

を原審に差し戻すのが相当である。

よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、裁判

官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 坂 上 壽 夫

裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 安 岡 滿 彦

裁判官 長 島 敦

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