最高裁判所第二小法廷 平成17年(ク)626号 決定 2005年11月18日
抗告人
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主文
本件抗告を却下する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
抗告人は、抗告人と被審人を代表者とする会社との間の民事訴訟事件において被審人が宣誓の上虚偽の陳述をしたとして、民訴法209条1項の規定により被審人を過料に処する旨の裁判を求める申立てをしたところ、原裁判所は、被審人を処罰しない旨の決定をした。本件抗告は、上記決定に対する抗告人の不服申立てであるが、同項に規定する過料の裁判は、裁判所が職権によって行うものであり、訴訟の当事者はその裁判を求める申立権を有しないものと解するのが相当である。したがって、抗告人の上記過料の裁判の申立ては、原裁判所に職権の発動を求める効果を有するにすぎない。そうすると、抗告人は、上記決定に対し不服を申し立てることは許されないものというべきであり、本件抗告は、不適法として却下を免れない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官・今井 功、裁判官・滝井繁男、裁判官・津野 修、裁判官・中川了滋、裁判官・古田佑紀)