最高裁判所第二小法廷 平成20年(し)281号 決定 2009年12月14日
主文
本件各抗告を棄却する。
理由
本件各抗告の趣意のうち,所論引用の証拠の新規性に関する判例違反の主張は,事案を異にする判例を引用するもので,本件に適切でなく,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
なお,記録によれば,所論引用の証拠の新規性及び明白性を認めて本件各再審請求をいずれも認容すべきものとした原々決定を正当とした原判断に誤りがあるとは認められない。
よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。なお,裁判官古田佑紀の補足意見がある。
裁判官古田佑紀の補足意見は,次のとおりである。
私は,法廷意見に同調するものであるが,原決定は,旧証拠に関し,新証拠と離れて,まず自らが改めてその信用性を評価しているように理解される余地があるなど,その説示には必ずしも首肯し難い点があることを付言しておきたい。
(裁判長裁判官 竹内行夫 裁判官 今井功 裁判官 中川了滋 裁判官 古田佑紀)