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最高裁判所第二小法廷 平成25年(し)752号 決定 2014年1月21日

主文

本件各抗告を棄却する。

理由

本件各抗告の趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。

なお,勾留理由開示の請求は,勾留の開始された当該裁判所においてのみなすことを許されると解すべきところ(最高裁昭和29年(す)第303号同年8月5日第一小法廷決定・刑集8巻8号1237頁,同年(す)第316号同年9月7日第三小法廷決定・刑集8巻9号1459頁参照),本件のように,第1審で被告人の勾留が開始された後,勾留のまま第1審裁判所が被告人に対して実刑判決を言い渡し,その後,被告人の控訴により訴訟記録が控訴裁判所に到達している場合には,第1審裁判所に対するものであっても勾留理由開示の請求をすることは許されず,これと同旨の原決定は正当である。

よって,刑訴法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 山本庸幸 裁判官 千葉勝美 裁判官 小貫芳信 裁判官 鬼丸かおる)

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