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最高裁判所第二小法廷 平成8年(あ)235号 決定 1998年11月04日

主文

本件各上告を棄却する。

理由

弁護人池内精一の上告趣意は、憲法三一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、不動産の競売における入札により最高価買受申出人となった者に対し、威力を用いてその入札に基づく不動産の取得を断念するよう要求したときは、刑法(平成三年法律第三一号による改正前のもの)九六条ノ三第一項の競売入札妨害罪が成立すると解するのが相当であるから、これと同旨の原判決の判断は、正当である。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 福田博 裁判官 根岸重治 裁判官 河合伸一 裁判官 北川弘治)

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