大判例

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最高裁判所第二小法廷 平成6(あ)420 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人依田敬一郎及び同川口和子の上告趣意のうち、憲法三六条違反をいう点は、

死刑制度が憲法に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和二二年(

れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)とすると

ころであるから、所論は理由がなく、憲法三八条二項違反をいう点は、記録を調べ

ても自白の任意性を疑うべき証跡は認められないから、所論は前提を欠き、憲法三

八条三項違反をいう点は、原判決の是認した第一審判決が被告人の自白のみによっ

て被告人を有罪としたものではなく、自白以外の証拠をも総合して有罪を認定した

ことが明らかであるから、所論は前提を欠き、本件の逮捕、勾留に関して判例違反

をいう点は、所論引用の判例は本件と事案を異にして適切でなく、その余は、違憲

をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、い

ずれも適法な上告理由に当たらない。

また、記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(

記録によれば、被告人を本件各犯行の犯人であると認めた原判決の認定は正当なも

のと認められる。本件各犯行中殺人等に係る三件の事件のうち、第一の事件は、妻

の実姉を絞殺した上死体を山中に埋め、その際に窃取した通帳、印鑑を利用して銀

行から同女の預金を引き出し騙取したという事案、第二の事件は、殺害した同女の

生存を偽装するために手紙の代筆を依頼した知り合いの女性を絞殺し、その死体も

山中に埋めたという事案、第三の事件は、妻の父親を金づちで殴打した上刺殺し、

その金品を窃取したという事案であるが、右各犯行は、三名の生命を奪ったという

結果が極めて重大であるだけでなく、被害者三名がいずれも親族や知り合いの者で

あって、相手方の信頼を裏切る冷酷、非道な犯行というべきである。また、被告人

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は、各犯行につき事後に様々な隠ぺい工作をするなどしていて、犯情は悪質であり、

被害者らの遺族の被害感情も非常に厳しいものがある。したがって、原判決が維持

した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

よって、同法四一四条、三九六条、一八一条一項ただし書により、裁判官全員一

致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官桐生哲雄 公判出席

平成一一年六月二五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 福 田 博

裁判官 河 合 伸 一

裁判官 北 川 弘 治

裁判官 亀 山 継 夫

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