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最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)1461号 判決 1949年2月08日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人根本仙三郎上告趣意第一點について。

しかし記録によると、原審第二回公判期日は當初第一回公判期日に決定したように、昭和二三年七月八日に原審法廷で開廷されて辯護人根本仙三郎が出頭し、證人町田政男、同飛川源吉の二名を訊問し、弁護人は被告人の爲め有利な辯論をした旨が記載されている。(記録第九四丁裏以下第一〇五丁)所論の第二回公判調書には、同日の公判は何時に開廷されたかは記載されてないが、同辯護人は同公判に出廷し立會ったことは、前記の通り記載されているのである。そして舊刑事訴訟法第六四條によれば、公判期日における訴訟手續きで公判調書に記載されているものは、同調書によってのみ證明することを要し他の反證を許さないのであるから、結局同辯護人は右公判期日の審理に立會って辯論したものと認めるの外はない。してみれば原裁判所は不法に辯護權の行使を制限したということはできない。論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)

よって、刑事訴訟法施行法第二條及び舊刑事訴訟法第四四六條により主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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