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最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)1480号 判決 1949年2月01日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人津川友一の上告趣意第二點について。

記録を調査するに、原審において、裁判長が辯護士津川友一を被告人のため国選辯護人に選任したことは記録に編綴されている選任書の案によって之を認めることができる。辯護人の選任書の原本は辯護人に交付し、その案を記録に編綴して置くのであるから、本件記録に編綴されている前示選任書の案に裁判長の捺印がないのは當然で、それがために選任書の原本に裁判長の捺印がなかったものと言うことはできないのみならず、同辯護人は右選任によって右公判期日の延期を求むることなく原審公判に終始異議なく立會したことも記録上明かであるから、右選任は有効である。又假りに、所論の如く選任書に裁判長の捺印が欠けていたとしても、かかる瑕疵は右選任の効力を左右するものでなく、又原判決に影響を及ぼすものでもない。從って論旨は理由なきものである。(その他の判決理由は省略する。)

よって、刑事訴訟法施行法第二條舊刑事訴訟法第四四六條により主文の如く判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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