最高裁判所第二小法廷 昭和24年(れ)519号 判決 1949年9月10日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人水町新三の上告趣意第一点について。
旧刑事訴訟法第六九條第二項により判決書に記載すべき檢事の氏名は、公判に関與した檢事の氏名であるから、審理又は判決言渡のいずれかの公判に関與した檢事の氏名であればよいのであって、必ず審理に関與した檢事の氏名でなければならないと解すべき理由はない。原判決に記載された檢事の官氏名は、判決の言渡に立会った檢事石井玉藏であって、判決の基本たる弁論に立会った檢事野田実治でないことは所論のとおりであるが、前記の理由によって原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)
よって、刑訴施行法第二條、旧刑訴第四四六條により主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)