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最高裁判所第二小法廷 昭和24年(新れ)313号 判決 1950年4月14日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人清水繁一の上告趣意について。

第一点

所論は被告人に対する前科調書を第一審裁判所が証拠としたことをもって憲法三九条に違反する旨主張するのであるが、被告人に対する前科調書を証拠としたことだけでは前犯に対する確定判決に判示された犯行について再び審理裁判したのでもなく右確定判決の効力を動かすこともなく憲法三九条に違反するものではない。このことは従来の当裁判所大法廷の判例に徴し明らかである。(昭和二四年(れ)第一四〇四号同二五年三月一五日言渡大法廷判決、昭和二四年(れ)第一二六〇号同年一二月二一日言渡大法廷判決参照)それ故原判決が右憲法の条項に違反するとの論旨は理由がない。

第二点

所論は刑訴法四〇五条に定める事由にあたらない。

その他原判決には刑訴法四一一条所定の事由も発見するを得ない。

よって刑訴法四〇八条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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