最高裁判所第二小法廷 昭和25年(オ)38号 判決 1951年6月29日
主文
本件上告を却下する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人弁護士士家健太郎の上告理由は末尾添附の別紙記載のとおり、本件に対する上告理由は、当裁判所昭和二五年(オ)第三七号仮処分決定取消上告事件に対する上告理由と同一であるから、これを引用するというのである。併しながら上告理由は、上告理由書自体に記載すべきものであつて、他事件の上告理由書の記載を引用することは許されないから、本件上告理由書は不適法のものである。従つて上告状に上告理由の記載のない本件において、上告人が訴訟記録受領の通知を受けたこと記録上明らかな昭和二五年三月六日から三〇日内に上告理由書の提出がないことに帰する。
よつて民訴三九九条、九五条及び八九条を適用し、裁判官全員一致の意見により主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)