大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26年(あ)2083号 決定 1953年3月06日

本籍

岡山郡都窪郡三須村字松井一一一七番地

住居

京都市右京区西院花田町四二番地

日傭

矢吹進治

昭和六年四月一日生

右窃盗被告事件について昭和二六年二月九日大阪高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人寺尾次郎吉の上告趣意は、憲法の解釈違反を主張するけれども、少年法は昭和二四年一月一日から施行されたが、同法六八条により、昭和二六年一月一日までは十八歳未満を少年としているのである。そして第一審判決当時(昭和二五年一〇月一二日)は被告人は既に十八歳を超えており、そして原審は控訴趣意を理由のないものとして「控訴棄却」したものであつて、「破棄自判」しているものではないから、何等少年法上違法はないのであり、もとより憲法上の問題を生ずるものではないから、所論は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例