大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)4964号 決定 1955年12月21日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人松岡一章の上告趣意は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人大山菊治の上告趣意も、単なる法令違反の主張であって、適法な上告理由にあたらない。(第一、二審判決の判示するところによれば、本件被告人の行為は旧麻薬取締法三条二項にいう麻薬取扱者が「その業務の目的以外のために」麻薬を譲渡した場合に該当すること明らかである。)また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田 克)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例