最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)5553号 判決 1955年12月23日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人野町康正、同丸三郎の上告趣意第一点援用の判例は本件とは事案を異にし従って原判決は右援用判例に反した判断をしたものではない。(本件の場合盗品返還が強姦の前であったとしても、刑法二四一条前段の罪が成立するものと解すべきである。)同第二点は量刑不当の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田 克)