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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(オ)1330号 判決 1955年12月02日

主文

原判決中主文第三項記載の部分を取消す。

第一審判決主文第一項に対する被上告人の控訴を棄却する。

此部分に関する控訴審並びに上告審における訴訟費用は被上告人の負担とする。

原判決中主文第四項に対する上告を棄却する。

右に関する上告の費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人及川憲一郎の上告理由第一点について。

農地売渡処分は自創法の規定に基いて行われるものであるけれども、その売渡処分の取消処分は同法の規定に基いてなされるものではなく、行政行為の一般的法理に従つてなされるものであるから、右取消処分に対する出訴期間は、自創法の規定によつて定まるのではなく、行政特例法五条の規定により、「右処分のあつたことを知つた日から六ヶ月以内」と解すべきである。

原判決が右出訴期間を自創法の規定により算定すべきものと判示したのはあやまりであつて、この点において論旨は理由があり原判決中主文第三項記載の部分はその他の論旨について判断するまでもなく破棄を免れない。そして右部分に関する第一審判決(同主文第一項)の判断はすベて正当であるから、この点に対する被上告人の控訴は棄却すべきものである。

尚、原判決中主文第四項に対する論旨は、民事上告特例一号乃至三号に該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて民訴四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、全裁判官一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)

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