最高裁判所第二小法廷 昭和28年(オ)1358号 判決 1955年7月15日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人江口繁の上告理由について。
所論上告人所有にかかる二筆の農地は、上告人において、義弟、植木勝に耕作させ、これと交換的に、右勝所有の農地を上告人において耕作し、いわゆる交換的耕作をしていたことは、原判決の確定するところである。この事実関係の下に、原判決が「このような農地の交換的耕作は農地所有者相互の間で、互に相手方所有の農地を自己の耕作に供し、その対価として自己所有の農地を相手方に耕作させるものである」旨判示したのは、特段の事情の認むべきもののない本件においては、相当であつて、従つて、原判決が、右の農地は、自創法二条二項にいわゆる小作地に該当すると判断したのは正当である。論旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)