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最高裁判所第二小法廷 昭和30年(オ)198号 判決 1957年11月01日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人行森孚の上告理由について。

しかしながら、上告人が原審において、所論各理事の昭和二七年八月一五日辞任の事実を認めた経緯に徴すると、上告人は所論の選挙が無効であつたこと、言い換えれば、所論各理事が過去において理事でなかつたことの確認を求めたものと認められるのであつて、かかる過去の法律関係の存否を対象とする確認の訴は許すベきでないから、原判決が所論選挙の無効なことの確認は許されないとしたこと及びこれを前提とする所論各理事の就任登記抹消の請求を排斥したことは何れも正当であつて原判決に所論の如く理由齟齬の違法なく、また、前示の如く過去の法律関係の不存在の確認が訴の対象として許すべからざるものである以上所論上告人の仮理事の地位の回復等の利益の有無は問題とならないものであるから、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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