大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30年(オ)956号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔要旨〕賃借家屋を転貸していた会社について設立無効の判決があつても、そのため賃貸借および転貸借が将来に向つて当然失効するものではない。

〔説明〕上告人の所有建物を賃借していた有限会社甲が上告人の承諾を得て被上告人にこれを転貸していたところ、甲会社に対する設立無効の判決が確定したので、上告人は、転貸人たる会社は消滅し転貸借も効力を失つたとして被上告人に明渡を求めたが、原審は、右判決が確定しても会社の法律関係は対内、対外いづれの関係においても影響は受けないと判示して上告人の請求を排斥した。上告論旨は、既往の法律関係こそ影響を受けぬにせよ、継続的法律関係たる賃貸借および転貸借については将来に向つてこれを失効せしめるものであると主張し、これに対し、上告審判決は、「会社の設立無効の判決が確定したときは解散の場合に準じて清算をなすことを要し、会社は清算の目的の範囲内においてなお存続するものとみなされるのであつて当然に人格を消滅するものでないから、右判決確定により将来に向つて本件賃貸借および転貸借関係が当然に失効するものではない」と答えて上告論旨を排斥したものである。

論旨の提起した問題自体については、明文もなく又論旨の如く解すべき実質的理由もないから判旨の如く解せざるを得ぬものであろう。ただかく解した場合、賃貸人が賃貸借を終了させようとした場合における終了の方法、賃借人が清算のため賃借権を処分しようとする場合における賃貸人の承諾の要旨等、研究を要する問題が残存するが、本判決は勿論この点にまで立入つているものでない。

(北村調査官)

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