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最高裁判所第二小法廷 昭和32年(オ)1236号 判決 1958年10月17日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

民訴にいわゆる不変期間とは、法律により特に不変期間と定められたものをいうのであつて、民訴法一五九条により追完を許されるのは、右のような不変期間に限ると解すべきである。

されば、原審が民訴二三八条所定の三個月の期間はいわゆる不変期間でなく従つて追完を許されないものと判断したのは正当であり、論旨第一、二点は理由がない。

また、原審が上告人主張の事情は当事者の責に帰すべからざる事由にあたるか否かの点につき判断を加えたのは、所論のとおり単なる蛇足にすぎない。

されば、原審の右判断を攻撃するに帰する論旨第三点は、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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