最高裁判所第二小法廷 昭和33年(あ)258号 決定 1958年10月06日
主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人近藤新三郎の弁護人設楽敏雄の上告趣意第一点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第二点は、量刑不当の主張を出でないものであり、被告人浜田正義の弁護人山本彦助の上告趣意は、違憲をいうが、その実質は法令違反の主張に帰し、(なお、貨物のいわゆる密輸入行為は、海上にあっては、正当な通関手続を経ないで外国貨物を本邦へ陸揚げすることによって既遂となると解するを相当とするから、原判決には所論の違法は存しない。)被告人渡辺義春の弁護人石坂繁の上告趣意第一点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第二点は、量刑不当の主張であって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書(被告人近藤新三郎につき)により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)