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最高裁判所第二小法廷 昭和33年(あ)769号 決定 1958年10月31日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人木村恒の上告趣意第一点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(所論移送の決定は刑訴三三二条に従ってなされたものであることは、原判示のとおりであり、右決定が土地管轄のない千葉地方裁判所に移送した違法であることは所論のとおりであるけれども、裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について管轄違の言渡をすることのできないことは同三三一条の規定するところであって、被告人が右の申立をしたことは記録上みとめられないから、千葉地方裁判所が本件につき、管轄違の言渡をすることなく、実体について審判したのは正当である。)

同第二点は、事実誤認及び単なる訴訟法違反の主張をでないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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