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最高裁判所第二小法廷 昭和34年(あ)1368号 判決 1960年12月16日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人本人の上告趣意(上告趣意書および各上申書に記載)は、縷々述べているが、要するに原判決の法令(訴訟法を含む)違反、事実誤認を主張するものであり、弁護人津田騰三の上告趣意(上告趣意書の補充説明の申立と題する書面記載)は、被告人本人の右上告趣意を補充して、原判決の法令(訴訟法を含む)違反、事実誤認、量刑不当をいうにあり、弁護人及川竜七郎の上告趣意は、本件については、上告理由となるべきものを発見することができないというのであって、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。そして、第一審第二回公判調書によると、被告人は所論被告人の司法警察員および検察官に対する各供述調書を証拠とすることに同意しておるものであり、記録につき仔細に検討したが、右各供述調書の任意性に疑いを容るべき証跡はなく、また第一審判決判示の本件犯罪事実はその挙示する諸証拠を総合すればこれを認定するに難くなく、この間所論の事実誤認や法令違反のかどありとは認められない。また、以上のほか、本件につき、同四一一条一号ないし三号を適用すべき理由ありとは認められない。

よって、刑訴四一四条、三九六条、一八一条一項但書に則り、裁判官全員一致の意見で、主文のように判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田 克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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