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最高裁判所第二小法廷 昭和34年(し)45号 決定 1959年9月16日

主文

本件抗告を棄却する。

理由

上訴費用の補償請求を棄却する決定で高等裁判所がしたものに対しては、刑訴三七〇条三項により、その高等裁判所に同四二八条二項に規定する異議の申立をすることができるのである。したがって、原決定は同四三三条にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」にあたらないから、これに対し同条所定の特別抗告の申立をすることはできない。そして最高裁判所に対する抗告は、右特別抗告のほかは許されないのであるから、本件抗告は不適法といわなければならない。(なお、第一審で無罪の判決があり、検察官が控訴したところ控訴審で免訴の判決があった場合、被告人は上訴費用の補償を請求することができない旨の原決定の説示は正当である。)よって、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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