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最高裁判所第二小法廷 昭和34年(オ)848号 判決 1961年7月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人近藤新の上告理由一ないし五について。

原判決所掲の証拠によれば、上告人先代米原七兵衛が被上告人先代奥尾勘四郎に対し昭和二六年九月八日以前に本件土地を使用し得る状態におかなかつたとの原判決判示が肯認できるから、本件借地権が所掲のように昭和二三年一〇月三日設定されたものであるとしても、昭和二六年九月八日以前においては被上告人先代が上告人先代に対し本件賃貸借の賃料の支払義務がないとした原判決の判示は相当である。また、被上告人先代が上告人先代に対し昭和二三年九月一〇日以降の地代支払を約束したとの事実は原審においてその主張がないから、これをもつて原判決を非難することは許されない。されば原判決に所論の違法がなく、論旨はすべて採用できない。

同上告理由六について。

原判決所掲の証拠によれば、所論の点に関する原判決の判示は肯認できるから、所論は原審の専権に属する事実認定を非難することに帰し、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)

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