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最高裁判所第二小法廷 昭和35年(オ)575号 判決 1960年12月02日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由は別紙のとおりである。

論旨は、原判決が無効と判示した四票のうち「本山ズキハンタイ」の一票を除く三票について、反対投票として有効とすべき旨を主張するのであるが、うち「ハ」の投票については、ハの一字だけでは何の意味をも持ち得ないこと原判示のとおりであり、他の二票も到底反対の意思を表明したものとは認め難く、原判決がこれらの投票を無効としたのは正当である。論旨は、公職選挙法六七条後段及び同条に関する当裁判所の判決ならびに同法六八条の二の趣旨から、投票はなるべく有効とすべき旨を主張するのであつて、選挙人の意思を判断できる以上なるべくその意思を尊重すべきことは所論のとおりであるが、いたずらに選挙人の意思を憶測することもできず、本件の場合、所論の三票は、その記載によつては、いかなる意思をもつて記載したかを推認し難いものというべく、これを無効とするよりほかはない。論旨はすべて理由がない。

上告理由書提出期間経過後提出の上告理由補充書については判断を加えない。

よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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