最高裁判所第二小法廷 昭和41年(あ)2689号 決定 1967年9月01日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人藤田八郎、同鵜沢晋、同戸田善一郎の上告趣意第一点は判例違反を主張するが、所論引用の判例は事案を異にして本件に適切でないから、所論はその前提を欠き、同第二点は、違憲をいう点もあるが、結局は単なる法令違反の主張と認められるから、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(なお、本件起訴状の第一葉と第二葉とは合して一個の文書を成していると認むべきであり、また、第二葉に記載された犯罪事実に公訴事実である旨の表示を欠いていても、右の事実が公訴事実として記載されたものであることは容易にこれを理解することができるのであるから、これを適法な起訴状と解した原審の判断は正当である((当裁判所昭和四二年(あ)第五九号同年七月二〇日第一小法廷決定参照))。)
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外 裁判官 色川幸太郎)