最高裁判所第二小法廷 昭和41年(あ)2722号 決定 1967年3月03日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人佐藤一平の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(立候補の意思を有する者もしくはその者のために選挙運動をする者が立候補届出前に投票買収等の選挙運動をしたときは、直ちに公職選挙法二二一条の罪および同一二九条違反の罪が成立し、右立候補の意思を有した者が、後にこれを断念し、立候補の届出をしなかったとしても、すでに成立した右犯罪の成立に影響を及ぼさないとした原判断は相当である)。
また、記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外 裁判官 色川幸太郎)