大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和43年(あ)1645号 決定 1968年12月11日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人大脇英夫の上告趣意は、判例違反をいう点もあるが、所論引用の判例は本件と事案を異にし、その余は単なる法令違反の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(なお原裁判所が、被告人が一審判決判示の脅迫文言を申し向けて被害者等を畏怖させ、よって被害者側の請求を断念せしめた以上、そこに被害者側の黙示的な少くとも支払猶予の処分行為が存在するものと認め、恐喝罪の成立を肯定したのは相当である。)また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例