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最高裁判所第二小法廷 昭和44年(オ)997号 判決 1969年12月05日

上告人

安岳哲

代理人

村岡素行

被上告人

大原徳松

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人代理人村岡素行の上告理由について。

本件記録によれば、原審は、上告人の所論の証人申請を採用したうえ、前後四回にわたつて同人に対して呼出状を送付し、その間同人が正当な事由なく出頭しないことを理由として過料三、〇〇〇円に処する旨の決定をもしているにかかわらず、同人が出頭しなかつたため、ついに右採用決定を取り消して審理を終結したものであることが明らかである。かかる事情のもとにおいては、かりに右証人が上告人の申し出た唯一の証拠方法であつたとしても、これを取り調べることなく審理を終結した原審の手続には、何らの違法もない。論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(草鹿浅之介 城戸芳彦 色川幸太郎 村上朝一)

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