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最高裁判所第二小法廷 昭和45年(あ)1495号 決定 1975年9月26日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人小林優の上告趣意第一点の(一)ないし(三)について

所論は、法律以下の法令により刑罰法規を制定するためには、すべて法律による直接の委任規定が必要であり、地方自治法一四条一項、五項は、かかる罰則の再委任を許容した趣旨とはいえないので、本件集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和二五年一一月一日神奈川県条例第六九号、以下「本条例」という。)五条のうち、三条一項但書の規定によつて付された条件に違反した集団行動の主催者等を処罰する規定は、法律の根拠を欠くものであつて、罪刑法定主義を規定した憲法三一条に違反すると主張する。

しかしながら、本条例は、三条一項但書において、公安委員会が付しうる条件の範囲を具体的に規定するとともに、五条において、右三条一項但書に基づいて定められた条件に違反した集団行動の主催者等に対して罰則を定めているのであつて、所論のように罰則を定める権限を公安委員会に再委任したものとはいえず、地方自治法一四条五項の委任の趣旨に反するものではない(最高裁昭和二七年(あ)第四五三三号同三三年七月九日大法廷判決・刑集一二巻一一号二四〇七頁参照)。これと同趣旨に出た原判決の判断は正当であるから、所論違憲の主張はその前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。

同上告趣意第一点の(四)について

所論は違憲(二一条違反)をいうが、本件集会及び集団示威行進につき、神奈川県公安委員会が、本条例三条一項但書により付した各条件は、個々独立の意味を有し、個々に構成要件を補充しているものであるから、被告人は、被告人の本件行為と事実上、法律上の関連のない条件の違憲性を争う適格を有しない。それゆえ、所論は適法な上告理由にあたらない。

同上告趣意第一点(五)について

所論は、違憲をいうが、原判決のどの判断が、いかなる理由で、憲法のどの条項に違反するかを具体的に示していないから、適法な上告理由にあたらない。

同上告趣意第一点の(六)について

所論は、違憲(三一条、二一条違反)をいうが、実質は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(吉田豊 岡原昌男 大塚喜一郎 本林譲)

弁護人小林優の上告趣意<省略>

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