最高裁判所第二小法廷 昭和53年(オ)533号 判決 1978年9月29日
上告人
堀尾一治
右訴訟代理人
松岡滋夫
被上告人
中村哲夫
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人松岡滋夫の上告理由について
原審の確定したところによると、訴外成井武雄が本件建物(第一審判決別紙第二目録記載の建物)につき訴外三笠無線電機合資会社のために抵当権を設定した当時、右建物及びその敷地である本件土地(同第一目録記載の土地)は、ともに成井の所有に属していたが、本件土地については所有権移転登記を経由していなかつたというのである。右事実関係のもとにおいて、抵当権の実行により本件建物を競落した被上告人が法定地上権を取得するものとした原審の判断は、正当として是認することができ(最高裁昭和四五年(オ)第九八九号同四八年九月一八日第三小法廷判決・民集二八巻八号一〇六六頁参照)、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(栗本一夫 大塚喜一郎 吉田豊)
上告代理人松岡滋夫の上告理由<省略>