大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1256 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人千野国丸の上告趣意について。

所論示談書は記録に編綴されてあり又被害者Aは原審で所論の如き証言をしてい

るのである論旨は原審が証拠の取捨判断及び刑の量定をするにあたり被告人に有利

な右の証拠に対し何等顧慮するところなくこれを無視して判決をしたのは違法であ

ると言うのである。しかし示談の事実は罪となるべき事実ではないし刑の当然の減

免の事由でもない。ただ量刑にあたり情状として考慮さるべき事実に過ぎないので

あるから所論の証拠についてその判断又はその判断の理由を判示する必要はない。

それ故原判決が何等これに言及しなかつたからといつて直ちに右証拠を顧慮せずこ

れを無視したものと言うことはできない又一審判決後被害者との間に示談が成立し

たとしてもこれが為めに二審の科刑が当然に一審よりも軽くなるとは言えない。控

訴審は覆審であつて一審の続審ではないのであるから控訴審は示談のあつた事情を

斟酌はするがしかし独自の見解により諸般の事情を考慮して量刑するのである。従

つて示談があつたに拘わらず一審通り科刑されたことをもつて違法であると言うこ

とはできない。要するに所論は結局原審の専権に属する刑の量定の不当を主張する

に帰着し適法の上告理由とならないのである。

よつて本件上告は理由がないから刑事訴訟法第四四六条により主文のとおり判決

する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二三年一二月一八日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

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