最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1266 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人若林清の上告趣意第一点について。
原審はその証拠調手続において原判決が証拠に援用した書類の供述者又は作成者
の訊問ができることを告知しなかつたことは所論のとおりである、然し裁判所は供
述者又は作成者の訊問ができることを告知する義務のないことは既に当裁判所の判
例(昭和二二年(れ)第二七一号、昭和二三、六、二三、大法廷判決、昭和二三年
(れ)第一〇一号、昭和二三、七、一四、大法廷判決参照)とするところであるか
らその義務のあることを主張する本論旨は採用することはできない。
同第二点同第三点について。
しかし原審の採用した証拠によつて原判示の事実を認定することができるのみな
らず強盗罪の目的物たる財物は被告人以外の者の所有又は保管に属する物であれば
よいのであるからこれを判示するには犯人以外の者の所有又は保管に属する如何な
る物であるかを明かにするに足る程度に具体的に判示すればよいのであつてその財
物の種類数量、価格又は何れの財物が何人の所有又は保管に属するか等について一
々詳細正確に判示する必要はないのであるから原判決には所論の如き違法なく論旨
はいづれも理由なきものである。
同第四点について。
然し原判決の採用した証拠によつて原判示の事実を認定できるのであつて被告人
は強盗の共謀をした以上たとえ被告人自身において暴行脅迫をしなくても他の共犯
者の一人のした暴行脅迫について共同正犯としての責任を負うべきであるから原判
決が被告人を共同正犯としたのは正当で論旨は理由がない。
同第五点について。
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しかし記録を調査すると本件において被告人をして負せしむべき訴訟費用は少し
もないのであるから原判決が訴訟費用負担の言渡をしなかつたのは当然で論旨は理
由がない。
よつて本件上告は理由がないから刑事訴訟法第四四六条により主文のとおり判決
する。
この判決は裁判官全員一致の意見である。
検察官 小幡勇三郎関与
昭和二三年一二月一八日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 塚 崎 直 義
裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 藤 田 八 郎
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