大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1313 判決

主 文

原判決を破毀する。

本件を札幌高等裁判所に差し戻す。

理 由

弁護人松尾菊太郎の上告趣意第一点について。

本件は強盗傷人住居侵入被告事件であるから弁護人なくしては公判を開廷するこ

とのできない事件であることは言うまでもないところである、そして記録を調査す

ると原審第二回公判調書にはその冒頭の部分に「弁護人齋藤忠雄は出頭しない」と

記載されているに拘わらず同調書の最終の部分即ち証拠調終了の直前及び検察官の

求刑直後に弁護人がそれぞれ論旨摘録の如き陳述及び弁論をした旨の記載があるこ

とは所論のとおりである。ところで記録によると原審において齋藤忠雄は被告人の

為めに選任された唯一の弁護人であるから前記公判調書に弁論をしたと記載されて

いる弁護人はたとへ同調書にはその氏名の記載がなくともそれは齋藤忠雄であると

認めることができる。然しながら右の事実から同弁護人が同公判の頭初から出頭し

ていたもので前記出頭しない旨の記載が誤記であると即断することはできない、他

に右記載が明白な誤記であると認めるに足る資料がない、然らば原審は法律により

弁護人を要する事件につき弁護人が出頭することなくして審理をした違法があると

言わなければならないから論旨は理由があり原判決はこの点において破毀を免れな

い。従つて他の論旨に対しては説明を省略する。

よつて本件上告は理由があるから刑事訴訟法第四四七条第四四八条ノ二によつて

主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二三年一二月一八日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

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