最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1329 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人妻木隆三の上告趣意第一点について。
刑の量定をするにあたつて、憫諒すべき犯情ありとして、酌量減軽をするかどう
かは、原審裁判所の自由裁量に属するところであつて、たとえ、論旨主張のような
情状があるからとて、原審が酌量減軽を行わなかつたことをもつて、法令に違反す
るものとすることはできない。論旨は、結局、原審の量刑の不当を主張するものに
帰着し、上告適法の理由とならない。
同第二点について。
旧憲法時代において、刑事訴訟法第四一二条の規定により、量刑不当をもつて上
告の理由となすことを許していたに拘らず、日本国憲法の施行に伴う刑訴応急措置
法第一三条第二項の規定により、右刑事訴訟法の規定の適用を排除し、刑の量定甚
しく不当なりと思料すべき顕著なる事由があるときでも、これを、上告の理由とす
ることができないと定めても、毫も国民の基本的人権を侵害するものでないことは、
当裁判所の判例として示すところである。(昭和二二年(れ)第五六号、同年二三
年二月六日大法廷判決)従つて、国民の基本的人権を侵害することを理由として、
前示応急措置法の規定を憲法違反なりとする論旨は理由がない。
よつて、刑事訴訟法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。
右は、全裁判官一致の意見である。
検察官 十蔵寺宗雄関与
昭和二三年一二月二四日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 塚 崎 直 義
- 1 -
裁判官 霜 山 精 一
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
- 2 -