大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1349 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人八広俉一、小林右太郎提出の上告趣意について。

一、被告人は原審公判において、判示の日時場所において、Aに対して暴行した

旨供述したことは、同公判調書上明らかである。原判決は、右供述を証拠として、

被告人の本件恐喝の手段たる暴行の事実を認定したものであることは、また、原判

文上明白である。尤も被告人は、同公判の供述において、恐喝の意思を否認してい

ることは所論のとおりであるけれども、原審はこれを措信せず、恐喝の意思につい

ては、同判決挙示の他の証拠によつて、これを認定したのである。同一人の同一公

判における供述でも、その供述内容か実質的に不可分でないかぎり、その一部を採

証の用に供し、その措信せざる部分を証拠としないということは、もとより、原審

の自由裁量に属するところであつて、原審には所論のごとき採証上の違法ありとい

うことはできない。

二、原判決挙示の「検察事務官の被告人に対する聽取書」を査閲すれば論旨の摘

録する被告人の供述記載の外に、原判示に照応する事実の供述記載があることはあ

きらかである。従つて、所論のごとく、原判決は、虚無の証拠にもとずいて、犯罪

事実を認定したものということはできない。

三、原審公判において、被害者Aが証人として判示に照応する被害事実を供述し

たことも、同公判調書をみれば明瞭である。

原判決は、如上各証拠を綜合して、本件被告人の犯罪事実を認定したのであつて、

これによれば右事実は、十分に認定し得られるのである。論旨は、結局、原審の専

権に属する証拠の判断、事実の認定を非難するに帰着するのであつて、上告の理由

として採用することはできない。

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よつて、刑事訴訟法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。

右は、全裁判官一致の意見である。

検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二三年一二月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判長裁判官 霜山精一は差支につき署名捺印すること

ができない

裁判官 栗 山 茂

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