大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1428 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意について。

被告人の上告趣意中当初から殺意があつたわけではないと主張する部分は、原審

が、その自由裁量によつてした事実の認定を攻撃するものであり、その他は或は原

審の量刑の不当を主張し、或は犯罪の動機等を述べて、情状を酌量して慈悲ある判

決を願うというのであつて、いづれも原判決の法令違背を主張するものでないから、

当裁判所に対する上告の理由としては、採用することができない。

弁護人滝沢斉の上告趣意第一点乃至第七点について。

一、原判決挙示の証拠によれば、原判示のごとく被告人は原審相被告人Aと共謀

の上、昭和二三年一月一三日午前一一時頃共にB方に赴き、同家六畳の間の炬燵を

囲み、同女と雑談中、Aは隙を見て矢庭に立上り、座つていたBの背後から、左腕

で同女の頸部を絞扼し、次で被告人も、亦苦悶しているBの頸部に傍にあつた電気

アイロン用コードを捲きつけて緊迫し、遂に同女をその場に昏倒、窒息死に至らし

めた事実を認定することができる。右と異る事実を主張する論旨は結局原審の専権

に属する事実の認定を非難するもので、上告適法の理由とならない。

二、被告人には当時殺意はなかつた、従つて、本件は過失致死であると主張する

論旨も亦、右同断である。

三、被害者Bの死因は、被告人の前記所為に基づく窒息死であることは原判決の

挙示する鑑定人Cの鑑定書中の記載によつて明瞭である。この点に関する論旨も理

由はない。

四、原審が、被告人に対して死刑を宣告した点を攻撃する論旨は結局、原審の量

刑の不当を主張するもので、上告適法の理由とならない。尚、犯情の差異により一

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人の犯人を他の犯人より重く処罰したからといつて、憲法第一四条の趣旨に反する

ものでないことは、既に当裁判所の判例の示すところである。(昭和二三年一〇月

六日言渡、同年(れ)第四三五号事件大法廷判決参照)

以上説示のごとく、論旨はいずれも、その理由がないから、刑事訴訟法施行法第

二条、旧刑事訴訟法第四四六条に従つて、主文のごとく判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二四年二月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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